昨日のこと、国際関係学の教授主催でニューヨークシティにある台湾の建物に行ってきた。
あえて”建物”とただ言わせてもらう。その訳は、台湾外交的機関がアメリカにあるにも関わらず、アメリカが台湾を主権国家と認めていないためその建物を”大使館”と呼ぶことができないからである。
台湾は日清戦争終戦以降、戦争に勝った日本が実質植民地として所有していた。その後のおよそ50年間、第二次世界大戦が終わるまでは日本のものとして存在してきた。1945年に日本が第二次世界大戦で敗れ、日本の有する全ての植民地的地域が返上されることとなった。その後、1947年よりナショナリストと呼ばれる人々が中国から逃げてきた。
その後、中国本土は中華人民共和国となり社会主義を基に政治を行なってきている。一方で台湾は民主主義として発展してきた。
もちろん中国は台湾を中国の一部だと主張。台湾は独立願望が大きいものの、いざその行動を起こすと中国に侵略されかねないという恐怖から”現状維持”を制作とする国民党が台湾をまとめてる。
教授によると、中国海岸沿い台湾の近くにはミサイルが何基も設備されているらしい。いつでも撃てるように。
と、ここまでが昨日学んだこと。
本当は午前に台湾側、午後に中国側から話を聞き、双方の立場の取り方について比較するはずだったが、中国がキャンセルしたため、台湾だけとなってしまった。
台湾のその建物に着くと、とてもフレンドリーな人たちが迎えてくれた。最初にビデオを見たが、そのビデオはまるで観光用なのではないかというような内容。経済や政治あるいは歴史のようなことには触れず文化と自然について触れるものだった。
その後のプレゼンテーションでは経済発展の事しか話されなかった。台湾は本土と別に独自の方法で経済を発展させてきた。そこに要点が置かれていた。
だが、歴史や政治については触れない。一番気になる台湾の対中関係があまり聞けなかった。どの政党がどんな政策をしようとしてるとか、最近の選挙の結果だとか、それだけでそれ以上は触れなかった。
ただ、ひとつだけあるとしたら彼らが彼らをどう呼ぶか、であろう。ビデオもプレゼンテーションも最初だけ公式名は中華民国(=Republic of China)だと言いながらも、それ以降はずっと台湾と読んでいた。
中国、つまり中華人民共和国(=People's Republic of China)は台湾という呼び方を嫌う。中国にとっては台湾は中国の一部である。台湾にとっては台湾は”中国の一部であるような今の状況”を保つ方針でいるが、台湾は台湾である。
アメリカがこのような台湾と中国の状況をややこしくしているのも確かである。アメリカは中国と”台湾を国として認めない”と約束をしながらも、台湾とも”もし台湾が襲われたら助ける”約束をしている。公式な条約名とその詳細はわからないが、アメリカが事をややこしくしているのは分かるだろう。
国とは一体、なんなんだろうか。
中国と台湾にはそれぞれ違う政府があってそれぞれを統治している。全く違う思想を持つ人々がそれぞれに住んでいる。それでいて何故そこに2つの国があると言えぬのだろう。その理由はある程度それについて勉強すれば分かることだが、何故、どうして、平和的解決というか、譲り合いというか、尊敬し合う気持ちだとか、そういう人間美というものは国境を跨ぐと通用しなくなってしまう。
以前のブログにも書いたが、
そういうことをもっと日本の政治家たちに分かってもらいたいと思う。
こういう勉強していると、国交関係だとか、戦争の意味や原因、政治的なデモや差別も、革命の理由も、全部納得できてしまう。
戦争は嫌いだって言って飛び込んだこの学問の世界に入ってった俺も、戦争の理由を知って納得してしまう。どこか仕方なかったかのように思えてしまうこともある。自分でも驚きだ。でも、いつも考えることは、他に手段がなかったのか、他に手段があったとしたら何か、そして他に手段がないなら何があれば良かったのか、そういうことをいつも考えて、答えが見つからないまま時間がなくなってしまう。
ひとまず今回は台湾と中国の関係についてなので終わります。
Yoshi
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