大学の授業で一枚論文を書かなければなりません。英語で書くのはともかく、英語で沢山資料を読んで情報を集めるのは非常に疲れます。非常に疲れるからこそ効率的にやりたいものです。自分の題に使える記事を集めることが一番で、そうするためにも自分の考えをまとめる必要があります。今回の題は「核不拡散を実現又は強化させるためには」です。これが論文の自分のお題です。それについて思うがまま書いてみます。
【核兵器は攻撃か防衛か】
国が核兵器を持ちたがる理由は二つあると思う。それは攻撃か防衛か。つまり、核兵器を他国に飛ばして攻撃したいのか、核兵器を脅しに攻撃させないか、である。アメリカなど、列強国が核をそれぞれ合法的に持っている以上、他の国々、例えばイラクや北朝鮮の目的は基本的に防衛のためと考えられる。
例えば、北朝鮮が核兵器を持ったところで、その軍事力はアメリカには及ばない。しかし、アメリカは北朝鮮に対して攻撃を拒まざるを得ない。なぜなら、少しでも攻撃した時、本土に核兵器を発射される恐れがあるからだ。
このように、核保有と言うのはそれだけで国家の防衛につながる。日本国内でも自衛隊の核武装を推進する人がいるが、なにもそれは戦争するためでなく、むしろ戦争をしないためである。
つまり、核兵器を持つ事によって攻撃されにくくなる。
【何故、国は核兵器を持ちたがるか】
先程述べたように核保有は国家の防衛にあたる。しかし国際原子力機関(IAEA)を筆頭に核不拡散条約が制定され、効力をまだ得ていないものの包括的核実験禁止条約(CTBT)などが書かれ、国連により侵略行為は裁かれる故、国は充分な理由がない限り他国を基本的に攻撃は出来ない。侵略国は国際犯罪として国際司法裁判所(ICJ)等によって裁かれる。
このように世界はだんだんと、戦争を始めにくい環境へとなっていっているのも事実である。核兵器を持ったところで他国を侵略すれば、湾岸戦争のイラクのように、国連の基、多国籍軍に弾圧される。
しかし問題は国家間の信用問題ではないだろうか。核不拡散条約は条約であり、それ以上でも以下でもない。国がそれを受け入れなければ、その国に対して効力は発しない。つまり、その条約を批准しない限り、その国はその条約に従う必要はない。何故批准しないかについては色々理由があるが、核保有について考えれば、やはり国に核を持たせたがらせるような国があることで、そのひとつはアメリカではないだろうか。
同時多発テロ、あるいは9・11が起こり沢山の人々がなくなった。テロが中東のテロリストグループの仕業か実はアメリカの作戦で行われたのか議論はあるが、今回は論点ではない。
その後2003年にアメリカはイラクに対する戦争を始めた。湾岸戦争では国連の決議のもと、アメリカを含む多国籍軍がイラクへ侵攻したが、今回はアメリカが(ほぼ)単独イラクへ攻撃を開始した。問題となるのは、イラク戦争では国連の許可なしにアメリカがイラクへ攻撃を始めた事である。
国連と言う大きな国際機関が世界を見守り、基本的に全国家の意思を反映させる機関として、様々な決議を下す。そんな国際機関や国際原子力機関が努力して、そして全国家に信用されるようになってきたとしても、国連の支持を無視してまで世界一の軍事国家アメリカはイラクへと攻撃し戦争を始めた。
アメリカが嫌いだから核兵器を持とうと言う考えを持つ国もあるかもしれないが、全国家が国連を信じていると仮定しても、アメリカのそのような行動を見れば核兵器も持ちたくなる。国連がちゃんとやってくれると信じていたとしても、国連があってもそれを無視して戦争を始める国があると知れば核兵器も持ちたくなる。特に、その国が反米であれば・・・中東の数国や北朝鮮のように。
【自分の中でまとまった事】
色々考えて見たが、”核非武装”や”核兵器のない世界”への準備はある程度整っているのではないだろうか。国連や国際原子力機関によって数々の条約が作られ、あとは国それぞれが心からそれに同意することが必要なのではないだろうか。そして、国家の良心的な意思により採択された条約はより効力を発し、その世界の流れに乗って包括的核実験条約が正式に発効し、その圧力によって核保有国を武装解除する条約が作られる事が大きな進歩だと信じる。もちろん、その核武装解除条約がまた核保有国により批准されれば、それこそ核兵器のない世界へとなっていく。もちろんこれは理想であり、正直今の世界情勢を見れば遠い遠い夢の世界にさえ思えてくる。だがこれはひとつの考えられるプロセスではないだろうか。
【編集後記】
自分は個人的に核兵器が好きでない。しかし防衛のために核武装と言う考えには納得できる。実際に核保有による国家の防衛能力はとても大きい。
みんながみんな武器を持ち、その武器で反撃されるから攻撃はしない。そんな世界を誰が望むだろうか。数々の国が存在する国と、数々の人々が住む我々の町と、なんら変わりはないように思える。みんな裸の銭湯でわざわざ好き好んで喧嘩を売って殴りかかって痛い思いをしようという人はいないだろう。いたとしても、死者を出す前に、あるいは銭湯の場合、怪我人を出す前に周りが止められるかも知れない。国規模で言う怪我はきっと数人犠牲者が出ることで、国レベルで言う死人とはこの場合、大量の犠牲者が出るとか、そういうことだと思う。個人と国家では規模が違う。しかし、武器がなければ被害を少なく終らせることは出来る。
宇宙人が来るから武器を持つのと訳が違う。同じ人間が何故殺しあわなければならないのか。同じ地球に住む人間だからこそ仲良くしてほしい。環境問題だってそうだ。隣国が環境を壊せばその影響は風邪に流れ川に流れやってくるものだ。自国のことを考えるのは当たり前でそれが普通の事だが、それに加えて隣国や他国を意識し尊重する気持ちがどうしてこうも生まれづらいものか。
ひとまず、今回のところは、論文に書けそうな事が自分で見つけることが出来た。充分ではないだろうが半分は書けるだろう。
多くの問題が絡み合う現代の世の中、各国が完璧でなくとも最善の選択肢を共に、そして戦争無しに、選んでいける世界が実現することを切に願う。自分は平和ボケではないが平和バカである。平和を望んで何が悪いだろうか。
Yoshi
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